紳士服業界の不振というニュースを見て

ビジネス全般

「テレワークでスーツ需要が急減 コロナの影響が深刻の紳士服4社が赤字へ」
と言うニュースが20日に出ていました。これを見て感じたことを書いていきたいと思います。

不振の原因

原因の一つは間違いなくコロナの影響でしょう。
ただ、ここ10年ほどはもともとスーツを着なくなる動きが進んでいました。営業職なんかは以前はカッチリとスーツを着込んで仕事をしていましたが最近はスーツではなくジャケットとチノパンの営業マンも珍しくなくなりました。
私も最近は客先に行く時でもチノパンとスニーカーで訪問するようになりました。

個人的にスーツはスーツで好きなのですがやはり効率的に動ける服装ではありませんしクリーニングなどのメンテナンスの手間もかかってしまうと言うデメリットはあります。

そういった点から特にスーツに対して愛着の無い若い世代はどんどんスーツから離れていったのでしょう。

そこにコロナが追い討ちをかけました。
私が勤めている会社もそうですが4月からはテレワークが始まりました。完全にテレワークをしていなくても出社する日数が減った会社なども多いでしょう。
会社に行かなければスーツを着る必要もありませんので当然スーツの売り上げも下がります。

不振の原因はそれだけか?

ただ個人的には原因はそれだけでは無いと思っています。

個人的に思っている不振の理由は「スーツ業界はスーツの事好きすぎた」だと思っています。

どう言うことかと言うとですね、スーツのお店に行った事のある方はわかると思うのですが、スーツ屋さんってですね本当にスーツがメインのお店なんですよ。
いや言ってる事が変ですね。スーツ屋さんなのでスーツがメインで当たり前なのですが、上の方でも書いてある通り以前からスーツの需要自体下がってきていた訳ですよね、昔のようかカッチリとしたスーツではなくてある程度カジュアルなファッションがメインになってきていました。
でもスーツ業界はその流れに付いていけていなかったと思っています。

今でもそうですがスーツ屋さんに行くとですね、売り場の大部分はやはりスーツを取り扱っています。
若干クールビズやウォームビズのポロシャツやセーターなんかも扱っていますがその割合は低いんですよね。

例えば私が仕事で使う服を買いたいと思った場合には、スーツとYシャツではなくてジェケットとチノパンやアンクルパンツとロンTとかになる訳ですよ。
でもアンクルパンツとかロンTってスーツ屋さんには置いていないんですよね。アンクルパンツくらい置いてても良いと思うのですが置いてあるお店は見た事がありません。
なので結局ユニクロに行ったり別の店に行きます。ここでスーツ屋さんは客を奪われてしまっています。

置いてあるものはスーツとあくまでもスーツからの派生のものなんです。例えば少し涼しいジャケットとか、お洒落なジレとか。

しっかりとスーツを着て仕事する人はそれで良いのですがカジュアルに仕事をする人はスーツ屋さんに行っても欲しいものが置いていない状態になっていました。

そもそも労働人口自体減っているのに客層を自分から選んでしまっているので大変だと思います。

あとですね、しっかりとスーツを着て仕事をする人でもある程度の収入がある人はスーツやYシャツはオーダーで仕立てる事が多くなります。
私もあまり収入が多く無い時からスーツとYシャツは基本的にオーダーで作っていました。オーダーはやはり価格的に高くなりますがきちんと自分の体型にフィットするのでヘビーローテーションになりやすいし高い分長く大切に使うんですよね。

なのでオーダーをあまり扱っていない紳士服のチェーン店というのは非常に中途半端な立ち位置になっていたと思います。

個人的な感想

紳士服業界のチェーン店はスーツが好きすぎだったんですよね。今も大好きでしょう。

なのでスーツ以外のカジュアルなビジネスの服装を取り扱う事が許せなかったんだと思います。
もっと柔軟に対応していればカジュアルな服装で仕事をする会社員の需要を取り込めていたと思います。

実際私もカジュアルな服装で仕事をするようになったここ何年かは紳士服のチェーン店舗に行っても欲しいと思うものが無くなっていました。

カジュアルな服装は置いていないし、かといってオーダーのスーツなども基本的に取り扱っていない店が多い・・・ と言うかせっかくオーダーでスーツやシャツを作るんだったらもっと別の店で作りたいし・・・

この状態ではジリ貧です。

自分のビジネスを何と定義するか

よく言われますがこれが大事です。
「自分の業種を何と定義するか?」
「自分たちのライバルをどこと考えるか?」

これが大事です。

ここであまり絞ってしまって狭く考えてしまうと今回の紳士服業界のように時代の流れが変わった時に方向転換ができなくなってしまいます。

スーツ業界は自分たちの業種を「スーツ屋さん」ではなく例えば「オフィスファッション業界」とかのように考えたらよかったのかもしれませんね。

皆さんも自分の会社の業種が何のか考えてみら良いと思います。あと会社だけではなくて自分自身の仕事内容が何と定義されるべきなのか?自分がやっている仕事はこれだけで良いのか?もっとやるべき事が無いのか?

とか考えてみるのも良いと思います。

例えば自分が勤めている会社の業種を何と考えているかと言うことは非常に重要です。

ですが私たちサラリーマンが考えるべきこととして「自分の仕事」を何と考えるかは大事だと思います。

例えば営業マンであれば自分の仕事を
「受注を取って売り上げを上げる仕事」
なのか
「顧客のケアをする仕事」
と考えるのか?または
「顧客と自社をつないで顧客満足度と利益を上げていく仕事」
なのか? はたまた別の仕事として考えるか。そう言ったことを考えて仕事をするのか何も考えずに漫然と仕事をするのかでは徐々に差が出てきます。

仕事の範囲を広げすぎてしまうと大変なのですが自分の仕事を狭めすぎてしまうと自分では仕事をしっかりやっているつもりでも周りから見ると自分のことしかしない奴に見られてしまいます。

まとめ

自分の仕事、業種をどのように捉えるか、そしてその結果としてどのように動いていくかは非常に重要になってきます。

新人の頃であれば自分の仕事をどのように捉えるかはあまり重要ではありません。なぜなら仕事を全て上司や先輩が指示してくれるからです。しかしキャリアや役職が上がっていくにつれて自分の仕事をどのように捉えるかでその人の周りからの評価が大きく変わってきます。

そしてそれが会社であれば自分たちの仕事や業種をどう捉えるかによって会社の存亡が変わってくることもあります。

一度考えてみるのも面白いと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました